「AHLEM」(アーレム)というブランド
「お店で取り扱いたいブランド」を眼鏡店さんに聞いてみていただくと、いろんなお話を聞くことができてすごく面白いと思います。
ああだこうだと聞いてみていると、なんとなくその眼鏡店さんの好みが見えてきるので。
もちろん好きだけれどもままならぬ事情で取り扱いができなかったりすることもあります。扱いがなくてもすごく好きなんです、というのも愛を感じて良いかもしれません。そのあたりの好みやおすすめは、ファッションに比重を置いているのか、技術に比重を置いているのかでも変わります。
私は基本的に扱いたいブランドばかりやらせていただけていることを非常に嬉しいですし、本当にありがたい話であることは忘れないでいようと思っています。。
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そんなブランドのひとつ、AHLEM(アーレム)というブランドについて説明します。
2014年にフランス、パリ出身のデザイナーのAhlem Manai-Platt氏(アーレム マナイ-プラット)に設立されたブランドです。
眼鏡ブランドとしてはかなり若いブランド。10年と少しで世界的に活躍するブランドは珍しいなと思います。
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デザインは20世紀初頭のバウハウスから強く影響を受けています。代理店の方に伺うと、実際に一緒に歩いていても立ち止まって街中で見た建物のラインを不意にスケッチし始めたり、バウハウスらしく建築だったりだとかその他のいろんなものからデザインを考えています。
初めて聞いた時、建築などからのインスピレーション、と聞くと眼鏡デザインとしては少し変わったところからデザインを引っ張ってきているなと思いました。プロダクトデザインでは一般的なのでしょうが。
個人的には彼女の描く幾何学デザインや鋲のデザインは、バウハウス期のデザイナー、ジョセフ・アルバースの正方形を組み合わせる作品に近いものを感じました。ご興味のある方は調べてみてください。彼のパートナーのアンニ・アルバースも素敵です。
ブランドロゴ自体も日本の文化から強く影響を受けており、日本の「家紋」であったり、戦後の名デザイナー亀倉雄策からインスピレーションを受けたそう。トップの画像がブランドロゴなのですが、確かにそう言われればそんなふうにも見えてくるのはプラシーボ効果みたいなものでしょうか。
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アーレムさんはパリ出身ですがチュニジアにもルーツがあり、そちらで過ごした経験もあるそう。お祖母様と市場へ行き、様々なものを見聞きし、それらに触れ、近隣の方々と交流することで現在の感性を養ってきたとのこと。
よくモロッコに行くファッション関係の方は「幾何学的なデザインのところから確かにアフリカっぽさは感じる」とおっしゃっていました。北アフリカの似た文化があるのかもしれません。
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そして多くのデザイナーとは異なり、眼鏡業界ではなくファッション業界でキャリアをスタート。Acne StudiosやMIU MIU等でバイヤーを経験し、ファッションジャーナリストやコンサルティング会社の経営なども経てAHLEMの設立に至ります。
この経験がファッション好きやデザインに造詣の深い方にも気に入られる要因なのかもしれません。メタルフレームでは金メッキを多用していますが、これはカルティエのジュエリー工場と同じところに依頼しているそうで、そうした細部の質感が人気を作り出している要因です。言語化しにくくわかりにくいんですが、貴金属を使用したメッキは本当に綺麗だと感じます。
エレガントな要素と控えめな要素が組み合わされているところが好ましく、品がある佇まいなのが気に入っています。

また、個人的に感覚として近いのは作る側の職人さんを非常に大切にしているところ。
フランスは文化的な背景として伝統的な職人の技術を尊重しており、アーレムさんにもそういうところがあってずっとフランスの工場に製造を依頼しています。それらの工場にはMeilleurs Ouvriers de France(メイヤー ウヴリエ ド フランス)という賞を獲得した職人が在籍しています。
その賞はフランス文化の優れた、高度な技術を持つ伝統工芸の職人に贈られます。日本語に訳すと国家最優秀職人章というそうです。
少量生産にしているのも、クオリティの担保と職人に無理をさせないという二つの側面があると伺いました。
業界に入りたてくらいの時にこのフレームを見た時のことを覚えています。(見たこと無いデザインだ)と感じました。業界歴が浅かったこともあるだろうし、先達の皆様からすると「いやいやアランミクリが〜」みたいなこともあるかもしれませんが、こんなレンズシェイプのサングラスを見たことがありませんでした。そして美しく品がある。変わっているのに、個性的なのに決して奇抜ではないのがこのフレームの良い部分だと思います。
